程なくして私はインドを訪れることを決めました。
最初はガジェンドラ師の人柄にもう一度触れたい、という理由だけだったのですが、
気がついたらいつの間にか5年の月日が流れ、私はオディッシーダンサーになっていました。
こんなに何度も通うことになるとは、誰が想像できたでしょうか。
オリッサ滞在中、師はとてもよく気遣ってください、食事の心配から掃除の方法、買い物の仕方、体調を崩せばすぐに病院に連れていってくださいました。
そして完全な初心者だった私に根気よく踊りの稽古をつけてくださいました。
舞踊家として必要な踊りの舞台経験も、覚えきれないほど与えていただきました。
踊りだけでなく、インドの習慣やものの考え方、人としての振舞い方、神々の話、何でも教えてくださいました。
グルジ、そしてその家族の助けなくしては、外国人の小娘である私が過酷なオリッサでの日々を過ごすことは不可能でした。
踊りを本格的に始めた時から、私の夢はグルジの踊りを今度は私が日本で皆さんに紹介する、ということでした。
自分が受けた恩や愛情を、皆さんへお返しすることがグルジへの恩返しになると感じていたからです。
今回の機会が、(過去の私のように)誰かの人生にとっての光、考え方の転機となったらとても嬉しいです。
終わり
尊敬する、大好きなグルジの人生は、踊りに全て現れています。
踊りを見ると、私は今でも涙が出てきます。感動で心が震えます。
生き方を変えるだけの決断を、容易にさせてくれます。
グルとはインドの言葉で師匠を意味しますが、
その言葉のもつ意味はグ=闇、ル=光、だそうです。
初めてグルジに教えてもらったことなので、とてもよく覚えています。
闇を照らしてくれる光
無明から光明へ導いて下さる
「グル」
言葉で表現しきれませんが・・・
素晴らしい概念だと思います。